ルナ先生(前編)
クライアントさんの過去世を見るのに比べて、
スタッフ同士や親友など
既に親しい関係性が構築された人との間に過去世を見るのは、
困難な場合が多い。
この人生で深く関わり合う人たちだ。
よくも悪くも、過去に深く関わってきているからこそ、
思い出したくない色々もあるのだろう。
ルナ先生との過去世を初めて明確に思い出したのは、
ルナ先生に、光の体験に導いてもらったときのこと。
「光の体験」と一口にいえども、レベルや規模は様々。
その時の光の体験は、これまでに経験してきた中でも
大きな規模のものだった。
時空を越える光の中に漂う内に、
私は自分の過去世のワンシーンを見はじめていた。
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・・・・
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フランスのシスター養成施設。
中等部、初日。
ある教室。
丁寧に使い込まれた木製の机と椅子。
20人弱の新入生が腰掛けている。
私はダークグレーのワンピースに、白いベールをかぶり
黒いソックスをはいて、新しく始まる学生生活に胸を躍らせている。
壇上に上がった担任の先生は、ほっそりした おばぁちゃん先生。
綺麗に折り重なった皺から推測しても結構なお年だと思われる。
しかしとても滑舌が良く、大きな身振り手振りと
ハキハキキビキビとした挙動が、年齢を全く感じさせない。
「ようこそ。中等部へ。
今日は私からのメッセージを、皆への“贈りもの”とするわ。
私があなた達の側に座っていたのは、ほんの少し前のこと。
でも、たくさんの時間がすぐに流れていった。
そう。人生はかくも短いのよ。
私が言いたいのは、“人生には、目標を持たなくちゃ”ということなの。
目標こそが、貴方たちを素敵な女性にしてくれるわ。
特にあなた達は まだ若いのだから、たくさん目標を持たなくちゃ。
目標は、大きなものでも小さなものでも、とにかくなんでもいいのよ。
例えその目標が、
“立派なシスターになること”、じゃ、なくったって・・・。」
肩をすぼめてウィンクをし、おどけてみせる先生。
一瞬遅れて、先生の言葉を理解した私たち。
・・・教室中が、大きくどよめく。
その後も、遠慮会釈無しに、“贈りもの”のメッセージは続く。
あまりに歯に衣着せぬもの言いが続くものだから、
生徒は皆ヒヤヒヤしはじめる。
しかし内心は「こんな型破りで自由な先生も居ていいんだ!」と、
胸を高鳴らせて話に引き込まれていった。
お話の間中、教室の出入り口に立っている他の先生方は、
眉をひそめ、吹き出す冷や汗を拭きに拭いていた。
そして、おばぁちゃん先生の演説が終わるや否や、
取り囲んで苦情を申し立てようとしたのだが、
当の本人は澄ました顔。
「何か問題でも?」と言いたげな顔で、サッサと行ってしまった。
・・・・か、・・カッコイイ!・・新しい!!
私はそれまで、物静かで穏やかで慎ましやかな先生達しか知らなかったけれど、
この先生はまるで違う。
あんなことを、人目も気にせずスラスラ言えちゃうなんて、
きっと偉いシスターに違いない。
偉いのに、あんな事を言ってのけてしまうなんて。
私がもしこのままシスターになるなら、あんな風になりたい!
あんな人と一緒に仕事をしたい!
・・・おばぁちゃん先生の出現に大興奮した私の人生の目標は
早くもこうして、定められたのだった。
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・・・・
・・
ふと思い出す。
-あぁ、そういえば、この先生は、ルナ先生だ。
かつての私の、憧れの先生。
今世では、ずいぶん身近に。
不思議な気分で眺めていた・・・・
( 続 く )
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